朝晩少しずつ季節は秋に向かっているようでありますが、皆様のところの秋はいかがでしょうか。

さて、実は私、20年来通勤に使っていました新幹線に別れを告げ、各駅停車(在来線)に乗り換えたのであります。今号はそんな話題でございます。どうぞ最後までお付き合いください。


 「あぁ、こんな所にさつきが咲いていた」「菜の花綺麗だね」などと新幹線では味わうことが出来なかった車窓からの景色にしばし見とれながらの出勤であります。

「あら、いいじゃない、でもどうして?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は以前に申し上げましたように、会社は社員や息子が頑張ってくれているおかげでゆとりが出来、それを契機に各駅停車に乗り換えたのであります。今まで味わうことの出来なかった車窓からの眺めは格別であり、本を読んだり、うたた寝したりと45分間の癒しを楽しんでおります。しかし、ここに至るまでには幾多の紆余曲折がありました。今日は若い方々に今後の参考になればという思いで私の経験談をお話しさせていただきます。

 

 私は27歳で創業し、今日まで43年間企業戦士の如くがむしゃらに働いてきました。毎日「あの人に負けたくない」「あの会社に負けたくない」などと常に他を意識して仕事をしてきたように思います。ある意味それは向上心に繋がり、良い事もたくさんありました。しかし今振り返ってみるともっと違った選択肢もあったように思います。そのキーワードは「何事も自分次第である」という事であります。他人を意識するのではなく、まずは自分を磨き、人一倍努力をすれば必ず結果はついてくるものであり、人はそれを見ているものであります。


 例えば100メートル競走があります。これは短時間勝負で決して長く走れるものではありません。しかし若い時にはついつい突っ走ってしまい、中々理想通りにはいきません。そう考えますと、人生はウォーキングや並足で歩く速さが一番理想ではないかと最近感じるようになりました。並足とは、普段歩く速さより気持ち早く歩くことであります。


 昨今は働く環境が大きく変わってまいりました。スピードより内容を重視する時代であります。若い時のスピード感はいつの時代でも大切であります。しかし、そのスピード感は常に他人と比較するのではなく、自分に対するスピード感であってほしいと思うのであります。

心が落ち着く並足で息が切れない速さで歩いていけば、自然と自分の理想に近づき会社や社会にも貢献することが出来るのではないかと思います。皆様いかがでしょうか。


 今号も最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。今号も最後は夫婦の会話で締めたいと思います。

 

私「今日の矢板の高原山(栃木県北)紅葉綺麗だったよ」

妻「あら、お父さん、よかったわね」

私「今度は、サスケ(柴犬雄9歳)連れて行こうかね」

妻「私、花より団子の方が良いわ!」

大変お粗末様でございました。

車窓紅葉